「ウルトラマンA」南夕子隊員、突然の降板秘話!今だから明かす!「迎えに来てくれたのはゾフィーではなく子どもたちだった」
30日、九段下の科学技術館で開催中の「スーパーフェスティバル59」に、「ウルトラマンA」の6人のTAC隊員(超獣攻撃隊)が登場、“当時の子どもたち”の熱狂的な声援を集めた。
1972年4月に放送を開始した「ウルトラマンA」は今年で40周年。会場には“当時の子どもたち”が大集合し、熱気もムンムン。「ありがとう!!」の大合唱で6人のTAC隊員を出迎えた。南夕子隊員役の星光子は、「こちらに入ったときからすでにウルウルしています」と感慨深げな表情。
北斗星司(高峰圭二)と南夕子(星 光子)の男女がペアになってウルトラマンに変身するという新機軸を打ち出した本作だったが、諸般の事情により、星は途中で降板。降板した28話の台本を手にした星は「台本をいただいて、今度はどんな活躍をするのかなとワクワクしながら読んだのですが、夕子さんは月に帰っていき、(北斗)星司さんが一人でエースに変身すると書いてあった。最後まで意味がわからなかった。(続く)29話の台本にはわたしの名前がない。そこで初めて降ろされたんだと気付きました」と述懐。
月星人だった南隊員は、冥王星に旅立った。そのことはまったくの寝耳の水で、ショックを受けたという。「わたしには魅力もないし、芝居も下手。だから視聴率がとれずに降ろされたんだ」と自分を責めたというが、それでも「悔いのないように何もかも全部忘れてとにかくやろうと。段取りなんかどうでもいい、目線なんかどうでもいい。とにかくやろうと演じたのが28話。だからちょっと気に入っています」と笑顔に。
そして「三十数年たってわたしを迎えに来てくれたのは、ゾフィーではありませんでした。あのときわたしたちと一緒に戦って、感動してくれた(かつての)子どもたちでした。皆さんからあれでよかったんだよと言ってもらえたようで、すごくうれしかった。ワンワン泣きました。あのとき、この台本を前にして、うずくまるように座っていた、あの時間がくれたご褒美だと思いました。死ぬまで南夕子でいさせてください」と付け加える。
北斗星司役だった高峰は「今日まで知らなかった。当然、降板は前もって知らされていたのかと思っていた。僕も思いやりが足らなかったと後悔しています。でも40年たって南隊員と元気に再会できて、皆さんによろこんでもらえるのは、本当にうれしいこと」とコメント。会場からは「ありがとう!」という掛け声とともに大きな拍手が寄せられた。(取材・文:壬生智裕)